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坐骨神経痛のつらさは、動いているときだけでなく、座っているときや寝ているときにも気になりやすく、「できるだけ安静にしているのに、なかなか良くならない」と感じる方も少なくありません。
特に40〜60代になると、家事や仕事、介護などで完全に身体を休めるのが難しいこともあり、「無理したせいかな」「年齢のせいだから仕方ないのかな」と不安になってしまうこともあると思います。
ですが、休んでも変わらない痛みには、単に“休息が足りない”だけではない別の視点が必要な場合があります。痛みが長引く背景をやさしく整理していくことで、今の状態を見直すヒントが見えてくることがあります。
坐骨神経痛とは、腰からお尻、太ももの裏、ふくらはぎ、足先へとつながる坐骨神経に沿ってあらわれる痛みやしびれのことをいいます。病名そのものというより、「神経に負担がかかって起きている症状」を表す言葉です。
たとえば、腰まわりの筋肉が硬くなっていたり、骨盤や背骨まわりの動きが悪くなっていたりすると、神経の通り道に負担がかかりやすくなります。その結果、お尻から脚にかけて違和感やしびれ、重だるさ、痛みとして感じられることがあります。
「神経」と聞くと強い異常を想像してしまいやすいのですが、必ずしも重い状態とは限りません。ただし、症状が長引いているときは、身体のどこに負担がかかり続けているのかを丁寧に見ていくことが大切です。
坐骨神経痛がなかなか良くならない大きな理由のひとつは、痛みが出ている場所だけを休ませても、負担の原因が残っていることがあるからです。
たとえば、お尻から脚に痛みが出ていても、実際には腰の動きの悪さ、骨盤のかたより、股関節の硬さ、姿勢のくせなどが関係していることがあります。つまり、症状が出ている場所は“結果”であって、“原因”は別のところにある場合があるのです。
この状態でただ安静にしていても、一時的に楽になることはあっても、日常生活に戻るとまた同じ負担がかかってしまいます。そのため、「休んでいるのに戻ってしまう」「少し良くなってもまた痛い」を繰り返しやすくなります。
日常の中で知らず知らずのうちに続いている身体の使い方も、坐骨神経痛を長引かせる一因になります。
たとえば次のようなことは、腰やお尻、脚への負担につながりやすくなります。
⚫︎ 長時間同じ姿勢で座っていることが多い
⚫︎ 立つときにいつも片足に体重をかけている
⚫︎ 前かがみの姿勢が多い
⚫︎ 足を組むくせがある
⚫︎ 痛みをかばって反対側ばかり使っている
このような積み重ねがあると、特定の筋肉だけが頑張りすぎたり、逆に使いにくくなっている部分が出てきたりします。すると、神経の通り道のまわりに余計な緊張が生まれ、痛みが長く続くことがあります。
ここで大切なのは、「自分の身体の使い方が悪い」と責めることではありません。毎日の生活の中で自然に身についてきた動きのくせは、誰にでもあるものです。まずはその傾向に気づくことが、改善へのやさしい第一歩になります。
痛みがあると、できるだけ動かないほうがいいと思いやすいのですが、坐骨神経痛では必要以上の安静がかえって回復を遠ざけることもあります。
長く動かないでいると、筋肉や関節がさらに硬くなり、血流も悪くなりやすくなります。血流とは、身体のすみずみに酸素や栄養を運ぶ流れのことで、これが滞ると筋肉のこわばりが抜けにくくなることがあります。
もちろん、つらさが強いときに無理をする必要はありません。ただ、今の状態に合った範囲で少しずつ身体を動かしたほうが、結果として楽になるケースもあります。大切なのは、「動くか休むか」を極端に考えるのではなく、身体に合うちょうどよい刺激を見つけることです。
坐骨神経痛がなかなか良くならないときほど、痛みそのものだけを見るのではなく、「なぜそこに負担が集まっているのか」を考えることが大切です。
たとえば、症状が脚に出ていても、確認したいのは脚だけではありません。
⚫︎ 腰や骨盤の動きにかたよりはないか
⚫︎ 股関節が硬くなっていないか
⚫︎ お尻や太ももの筋肉が緊張しすぎていないか
⚫︎ 日常で負担のかかる姿勢が続いていないか
⚫︎ 痛みをかばうことで別の場所にも無理が出ていないか
このように全体を見ていくことで、今まで気づかなかった原因が見えてくることがあります。すると、ただ痛みを抑えるだけでなく、繰り返しにくい身体づくりにもつながっていきます。
坐骨神経痛は、休めばすぐに良くなることもありますが、そうではない場合には「休み方」ではなく「身体の見方」を変えることが必要になることがあります。
休んでも変わらない痛みには、身体の使い方や姿勢のくせ、腰や骨盤まわりのバランスなど、いくつかの要素が重なっていることがあります。だからこそ、痛い場所だけを気にするのではなく、全体をやさしく見直していくことが大切です。
「なかなか良くならない」と感じる時間が続くと、不安も大きくなりやすいものです。でも、長引いているからといって、変わらないと決まったわけではありません。今の状態に必要な視点が見つかることで、身体は少しずつ変化していくことがあります。
まずは無理に頑張りすぎず、ご自身の身体がどんな負担を抱えているのかを知ることから始めてみてください。その気づきが、回復へのきっかけになるかもしれません。




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